学科試験:アルバート・エリス
このアプローチは、エリスによって提唱され、わが国では一般に( )と呼ばれてきたが、原名は、Rational-Emotive-Behavioral-Therapy の頭文字をとってREB T と呼ばれる。
1、論理療法
ワンポイント★
人間の感情や結果(C:Consequence) は、それに先行する出来事や原因(A:Activating Event)によって引き起こされるのではなく、その出来事をどうクライエントが受け止めるのかという信念(B:Belief)によって生じると考える。すなわち不快な感情は、非論理的信念(Irrational Belief)によってもたらされるのだから、カウンセラーはそれをはっきりさせて反論(D:Discriminant & Dispute)を加えれば、その結果論理的信念が獲得され、不快な感情が軽減され、効果(E:Effect)がもたらされるというカウンセリング・アプローチである。
- A:Activating event(出来事)
- B:Belief(信念、固定観念)
- C:Consequence(結果)
- D:Dispute(論駁ろんばく、反論)
- E:Effect(効果)
具体的カウンセリングは、次のプロセスを踏んで行われる。
① 論理療法による手順や効果について、クライエントに説明する。
② 問題を明言し、目標を設定する(A)。
③ イラショナル・ビリーフを見つけ、宣言する(B)。
④ 結果(感情、不安、問題など)を特定する(C)。
⑤ イラショナル・ビリーフの非論理性、非現実性を明らかにする(D)。
⑥ このような流れで問題に対処し、結果を出し支援する(E)
イラショナル・ビリーフの修正法には、反論説得法(何事も完全にやり遂げなければならない根拠は何か)、新しい考え方への置き換え(完璧な解決などあるものではない)、記録紙の使用などいろいろある。
※上記 木村周氏から引用
※イラショナル・ビリーフ(非合理的な信念)は「~ねばならない、~すべきである」という信念から起こっており、これが人々を情緒的に混乱させているのです!
事例
↓
「○○はダメだ」という非難的なビリーフを抱いていると、
友人などの対人関係で下記のような困りごとが生じます。
●出来事(A)→友達が約束の時間に遅れた
●固定観念(B)→遅刻はダメだ、自分はきちんと早く来ている、連絡しないのはありえない
●結果(C)→イライラして友人と口喧嘩になる、一方的に友人に「ルーズ」とか、「常識にかける」など人格を否定する、友人を嫌いになる
この場合、遅刻してくれたおかげで
「廻りの景色を見れて何か発見できた」とか、
「ゆっくり別友にメールできた。」
「何かあったのだろう。来たら確認しよう」とか思えば違った展開になる。
喧嘩タイムになってしまうと、お互いハッピーじゃなくなる。
イラショナル・ビリーフをラショナル・ビリーフに変えることによって、
これまでの結果と異なる状況が生じますよ。
私の尊敬する先輩が
遅刻した知人をゆるりと待ち合わせ場所で待っていたら
別の知り合いに会って、ビジネスにつながったとか
ゆっくりメールする時間が取れたりして、
そのときの時間は無駄でなかったと言ってました。
その時はお人よしだな~とか
無理してる?とか思っていましたが
今はその意味がよくわかります。
「~ねばならない、~すべきである」や「○○はダメだ」を止めたら
これまでの結果と違うことが起こるようになりました。
「ねばならぬ」ってあんまりハッピーではないですよね~。
頭が固いと
「ねばならぬ」という習慣はなかなか変えられませんが、
ラショナル・ビリーフという理論は日常で使えます。